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[No.1103-2]ヒースロー空港

No.1103-2

「なんで分かったの?」
「夢の中で・・・」

はっきりと看板に書かれていたらしい。
それも日本語で。

「あはは!随分、親切な夢ね」
「私もそう思ったよ!」

今まではどの空港かもわからず、ただ乗り遅れるだけだった。
それが、突然、解決したようだ。

「なんだか、スッキリしたよ!」
「そんなもんなんだ・・・」

友人曰く、結構、気になっていたらしい。
ただ、日本ではないことは知っていたようだ。

「シチュエーション的には海外旅行だったからね」
「行ったこともないくせに?」

この後、二人で大笑いした。
友人は海外旅行に行ったことがない。

「そんなに憧れもないんだけどね」
「潜在意識がそうさせてるかもよ」

でも、不思議だ。
どうして、そんな具体的な名前が出てくるのだろう。

「ヒースロー空港になにか繋がりでも?」
「ううん・・・名前をちょっと知ってるレベル」

確かにそうだろう。
私も似たようなものだ。

「なんだか、その空港に興味が出てきちゃって・・・」
「・・・私も」

この数ヵ月後、私たちは旅立つことになった。

(No.1103完)
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