[No.1103-1]ヒースロー空港
No.1103-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
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「以前、話したことあるよね?」
「夢の話」
友人が唐突に話を切り出してきた。
でも、その話自体はよく知っている。
「・・・いつも乗り遅れるってやつだよね?」
「そう」
その話は何度と無く聞かされていた。
出発時間に間に合わず、乗り遅れてしまうらしい。
「また・・・見たの?」
「うん、見たんだけど・・・」
歯切れが悪い。
でも、表情は暗いどころか明るく感じる。
「長年の謎が解けたみたい」
「謎?乗り遅れることの?」
すぐさま首を横に振った。
どうやら、それではないらしい。
「じゃあ、何が?」
「空港よ、空港!」
イマイチ意味が分からない。
空港のどんな謎が解けたというのだろうか。
「ストレートに言いなさいよ」
「ごめん、ごめん」
友人が、おもむろに口を開いた。
「ヒースロー空港?」
「そう!空港はヒースロー空港だったんだよ」
確かに今まで空港の名前までは聞かされていなかった。
もちろん、彼女自身も知らなかったからだ。
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