[No.1096-1]それを二本
No.1096-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「あっ・・・」
「どうしたの?」
ある意味、長い間探していたものがそこにあった。
どれくらいぶりだろう・・・それを見たのは。
「これ・・・」
「・・・赤玉パンチ?」
“何それ?”と言わんばかりの顔だ。
「懐かしいな」
高校の時、間違ってそれを口にしたことがあった。
当時、それにそっくりなジュースがあったからだ。
「間違った?」
「ほ、ほんとだよ!」
親が飲もうとしてグラスに注がれていたものだった。
それを誤って・・・。
「びっくりしたけど・・・」
「美味しかった?」
それは否定しない。
「癖になったとか?」
「まさか・・・」
美味しかったけど、高校生にアルコールは早過ぎた。
すぐに気分が悪くなったからだ。
「二度と飲まない!って誓ったよ」
「あはは!」
でも、大人になればその考えは簡単に覆った。
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