« [No.1095-2]上か下か | トップページ | [No.1096-2]それを二本 »

[No.1096-1]それを二本

No.1096-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「あっ・・・」
「どうしたの?」

ある意味、長い間探していたものがそこにあった。
どれくらいぶりだろう・・・それを見たのは。

「これ・・・」
「・・・赤玉パンチ?」

“何それ?”と言わんばかりの顔だ。

「懐かしいな」

高校の時、間違ってそれを口にしたことがあった。
当時、それにそっくりなジュースがあったからだ。

「間違った?」
「ほ、ほんとだよ!」

親が飲もうとしてグラスに注がれていたものだった。
それを誤って・・・。

「びっくりしたけど・・・」
「美味しかった?」

それは否定しない。

「癖になったとか?」
「まさか・・・」

美味しかったけど、高校生にアルコールは早過ぎた。
すぐに気分が悪くなったからだ。

「二度と飲まない!って誓ったよ」
「あはは!」

でも、大人になればその考えは簡単に覆った。

(No.1096-2へ続く)

| |

« [No.1095-2]上か下か | トップページ | [No.1096-2]それを二本 »

(044)小説No.1076~1100」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1095-2]上か下か | トップページ | [No.1096-2]それを二本 »