« ホタル通信 No.490 | トップページ | [No.1099-2]久しぶりな言葉 »

[No.1099-1]久しぶりな言葉

No.1099-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「手相見せてくれない?」

女性雑誌にでも載っていたのかもしれない。
嫌な予感しかしないけど・・・。

「いいよ」
「でも、生命線は短いぞ」

自虐ネタではない。
本当に・・・短い。

「まぁ、それはそれとして」
「えっ!?スルーなの・・・」

仕方ない、彼女の求めているものに付き合おう。
でも、何を求めているのだろうか。

「じゃあ、見てよ・・・」
「サンキュー!」

俺の手を取り、まじまじと手相を見始めた。
レアな線は無いと思うが。

「何か特別な線、あった?」
「そうね・・・」

手相は年齢と共に変わると聞いたことがある。
人生経験などがそれに影響するとかしないとか・・・。

「・・・ないね!」
「何だよ!その嬉しそうな顔は・・・」

生命線の短さを補う線が欲しかったところだ。
例えば、富とか名声の線だ。

「お金持ちになりたいの?」
「例えば、の話だよ」

ただ、願望が全くないわけではない。

(No.1099-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.490 | トップページ | [No.1099-2]久しぶりな言葉 »

(044)小説No.1076~1100」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ホタル通信 No.490 | トップページ | [No.1099-2]久しぶりな言葉 »