[No.1099-1]久しぶりな言葉
No.1099-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「手相見せてくれない?」
女性雑誌にでも載っていたのかもしれない。
嫌な予感しかしないけど・・・。
「いいよ」
「でも、生命線は短いぞ」
自虐ネタではない。
本当に・・・短い。
「まぁ、それはそれとして」
「えっ!?スルーなの・・・」
仕方ない、彼女の求めているものに付き合おう。
でも、何を求めているのだろうか。
「じゃあ、見てよ・・・」
「サンキュー!」
俺の手を取り、まじまじと手相を見始めた。
レアな線は無いと思うが。
「何か特別な線、あった?」
「そうね・・・」
手相は年齢と共に変わると聞いたことがある。
人生経験などがそれに影響するとかしないとか・・・。
「・・・ないね!」
「何だよ!その嬉しそうな顔は・・・」
生命線の短さを補う線が欲しかったところだ。
例えば、富とか名声の線だ。
「お金持ちになりたいの?」
「例えば、の話だよ」
ただ、願望が全くないわけではない。
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