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[No.1100-2]せっかちな桜

No.1100-2

「ふふふ・・・」

友人が急に笑い出した。
笑いと言うより、不敵な笑みに近い。

「なになに!?」
「だってぇ~」

桜を見ているだけで笑いの要素は見当たらない。
一体、何が笑いを誘っているのだろうか。

「この桜・・・」
「あなたみたいなんだもん!」

考える間もなくその言葉を理解した。
もちろん、“桜のように美しい”なんてことはない。

「・・・と言うことは」
「そう言うこと!」

確かにわざわざ答えを聞くまでもない。
答えはさっき自分で言った。

「まぁ・・・そうだよね」
「否定はしない」

逆に友人の発想を褒めてあげたい気分だ。

「潔くてよろしい!」
「はいはい・・・」

せっかちな桜に例えられるとは思っていなかった。
でも、そう悪くはないから不思議だ。

(No.1100完)
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