[No.1091-1]お婆ちゃんの背中
No.1091-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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通学途中に出会う、お婆ちゃんがいる。
その背中はどこか寂しそうに見える。
「そりゃ、お年寄りだからでしょ?」
「失礼なこと言わないの!」
寂しそうに見えるのは私の感覚だ。
他の人ではそう見えないのかもしれない。
「なんで寂しそうに見えるの?」
「ほら、なんていうか・・・」
具体的な説明は難しい。
ただ何となく、そう見えるだけだ。
「表現は間違っているけど」
「哀愁と言うか・・・」
かもし出す雰囲気がそう見せている。
でも、決して、悪い風には見えない。
「長く生きてきた証と言うか・・・」
「・・・そうね」
大袈裟だけど、そこに人生の一端が見える。
「そもそも、何で居るの?仕事?」
「ううん、散歩のように見える」
持ち物が少ない。
小さな巾着袋を手に持っているだけだ。
「なるほど・・・」
「それなら、散歩かもしれないね」
通学の時間帯は慌しいとは思う。
けど、朝の清清しさも無視できないだろう。
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