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[No.1094-1]レトロ好き

No.1094-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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誰しもが通る道とは言わない。
でも、興味を示したことは1度くらいあると思う。

「そうねぇ・・・言われてみれば」
「だろ?」

僕にもそんな時期があった。
水筒やガラスの瓶など、レトロな物を集めた。

「正確に言えばレトロ風だな」
「本当にレトロな物は高くて買えなかったから」

早い話、デザインがレトロ風なだけだ。
それ以外はいたって普通だ。

「でも、使い勝手は良くなかったでしょ?」
「その通り!」

買ってはみたものの使い勝手は悪い。
何なら、まともに使えない物だってあった。

「レトロな瓶なんかさぁ」
「結局、入れるものがなくて飾っておいただけ」

でも、これこそが本来の楽しみ方かもしれない。

「そうなるよね」
「でも、あなたが言う通り、それが正解かも」

利便性は追求しない。
それを求めるなら、最新型を買えば良い。

「今も持ってるの?」
「ううん、全部捨てた」

と言うより、見当たらない。

(No.1094-2へ続く)

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