[No.1092-1]成人式
No.1092-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
-----------------------------
「成人式って、どやった?」
「えっ!?俺に聞く・・・」
説明が下手だから話せないわけじゃない。
全うな理由がある。
「まぁ、女は着物で、男はスーツかな?」
「服装を聞いてるんと違う」
あえなく撃沈した。
まぁ、想定通りの展開ではあるが。
「そうだな・・・目が輝いてるとか?」
「新成人だけに」
彼女の表情が険しい。
そろそろ本当のことを言うべきだろう。
「あの・・・さぁ・・・」
「俺ね・・・」
成人式には行っていない。
これにもいくつか理由があった。
「行ってへんの?」
「うん・・・」
当日、仕事をしていた。
今じゃ、色々と問題かもしれないが。
「それに・・・」
「地元じゃなかったし」
成人を見知らぬ土地でむかえることになった。
言わばこれも仕事の関係だ。
「参加したところで知り合いもいないだろ?」
「そうやったんや・・・」
だからと言って、悔やんでいるわけではない。
| 固定リンク | 0
「(044)小説No.1076~1100」カテゴリの記事
- [No.1107-2]私もよ(2022.04.28)
- [No.1100-2]せっかちな桜(2022.03.30)
- [No.1100-1]せっかちな桜(2022.03.29)
- [No.1099-2]久しぶりな言葉(2022.03.27)
- [No.1099-1]久しぶりな言葉(2022.03.26)
コメント