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[No.1092-1]成人式

No.1092-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「成人式って、どやった?」
「えっ!?俺に聞く・・・」

説明が下手だから話せないわけじゃない。
全うな理由がある。

「まぁ、女は着物で、男はスーツかな?」
「服装を聞いてるんと違う」

あえなく撃沈した。
まぁ、想定通りの展開ではあるが。

「そうだな・・・目が輝いてるとか?」
「新成人だけに」

彼女の表情が険しい。
そろそろ本当のことを言うべきだろう。

「あの・・・さぁ・・・」
「俺ね・・・」

成人式には行っていない。
これにもいくつか理由があった。

「行ってへんの?」
「うん・・・」

当日、仕事をしていた。
今じゃ、色々と問題かもしれないが。

「それに・・・」
「地元じゃなかったし」

成人を見知らぬ土地でむかえることになった。
言わばこれも仕事の関係だ。

「参加したところで知り合いもいないだろ?」
「そうやったんや・・・」

だからと言って、悔やんでいるわけではない。

(No.1092-2へ続く)

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