[No.1090-2]侵入!
No.1090-2
「でも、分かる気がするよ」
「子供ってそんなとこ、あるもんな」
ちょっとした探検気分だった。
当時、そんなテレビ番組が多かった影響もあった。
「夜の学校なんて最高でしょ!」
「だろうな!」
先生に見つかれば確実に怒られる。
いや、今の時代なら、警察沙汰にもなるだろう。
「当時はまだそのあたりは緩くて」
大袈裟に言えば、この程度は日常茶飯事だ。
それほど珍しくもなかった。
「で、肝心のイタチは?」
「あっ!そうだったわね」
捕獲に本気じゃないから、何事もなく終わった。
皆で夜の学校を楽しんだだけに終わった。
「まぁ、最初からそんな感じだったし」
「小学生ならそんな程度だろうな」
もし、イタチが居たら太刀打ち出来なかっただろう。
それはそれで正解だった。
「ちなみに、誰が言い出したの?」
「・・・私よ」
むしろ、男子は腰が引けていた。
イタチに対しても、忍び込むことに対しても。
「・・・だろうな」
「納得しないの!」
| 固定リンク | 0
「(044)小説No.1076~1100」カテゴリの記事
- [No.1107-2]私もよ(2022.04.28)
- [No.1100-2]せっかちな桜(2022.03.30)
- [No.1100-1]せっかちな桜(2022.03.29)
- [No.1099-2]久しぶりな言葉(2022.03.27)
- [No.1099-1]久しぶりな言葉(2022.03.26)
コメント