[No.1086-1]西日
No.1086-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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物音で目が覚めた。
「・・・わぁー!もう夜!?」
「ごめん、ごめん、起こしちゃった?」
ウトウトし始めたのが午後3時ごろだったと思う。
その時はまだ外は明るかった。
「ごめん・・・寝過ごしたみたい」
「ううん、まだ4時だよ」
慌てて時計を確認する。
確かに、4時を少し回ったところだった。
「でも、部屋が真っ暗・・・」
言いながら気付いた。
暗いのは時間のせいではない。
「カーテン・・・閉めたんだ?」
「あぁ、西日が強かったからさ」
カーテンの隙間から漏れる光がそれを物語っている。
「明るいと寝にくいだろ?」
「う、うん・・・」
ここ数日の仕事疲れがどっと出てしまったようだ。
せっかく彼と休日を過ごしていたのに。
「起こしてくれればいいのに・・・」
「あまりにも気持ちよさそうに寝てたからさ」
あらためて言われると恥ずかしさが込みあがってくる。
マジマジと顔を見られていたかと思うと。
「でも・・・」
「気にしなくていいよ、全然」
そうは言っても何のための休日なのか。
自問自答したくなってきた。
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