[No.1088-2]ひとり○○
No.1088-2
「昔は負け犬みたいなイメージがあったもんね」
確かに昔はそんな感じだった。
友人が居ない、彼氏や彼女が居ない・・・その象徴だった。
「今じゃひとり焼肉だって普通だもんね」
「彼氏や彼女が居ても、ひとりで行く人もいるだろうし」
格好良く言えば多様化の時代だ。
それに人の目を気にしないとも言える。
「・・・そう言えば」
「なに?」
あることを思い出した。
「俺、ひとり野球してたよ」
「ひとり野球?出来るの?」
もちろん、ひとりじゃ無理だ。
でも、ある程度ならできる。
「向かいの家の壁に、ボールを投げて」
「跳ね返ってきたボールを捕る」
ピッチャーとバッターが同時に実現できる。
「それに、いい具合に壁に段差があって」
それが跳ね返るボールに様々な変化を生んだ。
「俺、ひとりカラオケ大丈夫そうだよ!」
「でも、一緒に行こうね」
(No.1088完)
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