[No.1083-2]ポスポス
No.1083-2
「近い?」
「遠くはないよ」
なぜ、そう呼ぶようになったのかは覚えていない。
気付けばそう呼ぶようになっていた。
「なんか、スカスカな感じがするのよね」
「ポスポスっていうくらいだから」
そう言われるとそんな気がしてくる。
見た目を擬音にしたような感じだ。
「擬音?」
「そう、擬音!」
でも、いつしかポスポスと呼ばなくなっていた。
まぁ、人には伝わらないだろうから。
「もうちょっとヒントちょうだい!」
「じゃぁ、大ヒント!昨日、食べたよ」
それでも候補の食材は山のようにある。
見つけるのは容易ではない。
「昨日・・・か」
「ん?」
何かを察したようだ。
「ポスポスでしょ?」
「・・・あれじゃないかな」
予想に反して一発で当てようとしている。
「確かに、ポスポスね」
「もう、ポスポスにしか見えなくなってきたよ」
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