[No.1084-2]落ち葉
No.1084-2
「相変わらず、詩人と言うか・・・」
「甘ちゃんなんだから!」
もう一度、言っておきたい。
悪気はないと言うことを。
「だよな!」
「そうよ!」
男のくせにちょっとセンチメンタルが過ぎるかもしれない。
彼女はそこを言っているのだ。
「昔、何かあったんでしょ?」
「どうせあなたのことだから」
他人が聞けばヒヤヒヤする会話だと思う。
でも、慣れればそれほどでもない。
「よく分かるな?」
「何年、一緒にいると思ってるのよ!?」
悪態を付けども、僕のことをよく見てくれている。
だからこそ、僕がここに居れるわけだが。
「だよな!」
「そんなの見てないで行くわよ!」
強引に僕の腕を引っ張る。
その力の強いこと、強いこと・・・。
「そ、そんな強く引っ張るなよ・・・」
「いいの!」
彼女なりに、はしゃいでるのは確かだ。
落ち葉を見て思い出したのだろう・・・あの日のことを。
(No.1084完)
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