[No.1084-1]落ち葉
No.1084-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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大袈裟に言えば自然が作り出した芸術作品だ。
「なに見てるの?」
「ん?あーごめんごめん」
目の前に落ち葉の塊が転々と存在している。
それが何とも不思議な光景を醸し出している。
「落ち葉だよ」
「落ち葉?見る価値あるの?」
誤解のないように言っておこう。
彼女に悪気はない・・・多少、口は悪いが。
「見てみなよ」
「だから、見てるって!」
繰り返すが、性格は決して悪くない。
「ほら、一塊になってるだろ?」
「風の力で」
一枚一枚があちこちに散らばっているのではない。
一塊になって集団を形成している。
「人間みたいだろ?」
「あちこちに集団があってさ!」
まるで納得していない顔をした彼女が見える。
ちょっと詩人過ぎただろうか・・・。
「まぁ、そう言われると・・・」
「そう見えなくもないね」
まるで木枯らしに吹かれて肩を寄せ合う人間のようだ。
僕にはそんな風にしか見えない。
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