[No.1081-1]超・生活感がある話
No.1081-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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「これ、何?」
「あっ!それは・・・」
隠しておくべきだった。
一応、彼の前では今どきの女子ということになっている。
「それはね・・・脱臭と言うか・・・」
「気になる臭いを・・・」
以前、聞いたことがある。
脱臭効果があると・・・物は違うが。
「脱臭?」
「それって、コーヒーの出し殻じゃなかったっけ?」
(知ってたの!?)
意外にも彼もそれを知っていた。
そうなると、強引に誤魔化すほかない。
「そうだっけ?」
「紅茶も効果があるのよ!」
もっともらしい顔をして言い切った。
本当の理由を知られるわけにはいかないからだ。
「へぇ~そうなんだ、知らなかったよ」
「でも、紅茶は紅茶だけど、ティーパックだよね?」
話が終わると思っていたのに続けるつもりだ。
ここは空気を読んで欲しかった。
「そ、そうよ!」
「これでも効果があるの!」
あらためて思う。
それを隠しておけば良かった・・・と。
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