[No.1085-2]怪獣じゃない!
No.1085-2
「これもそうなの?」
「ん?どれ?」
彼女が写真のひとつを指差す。
確かにそこにも怪獣が写っている。
「今までと違って笑ってなくない?」
「だよな?」
もう一度、それをよく確認した。
「・・・これ、怪獣のようで怪獣じゃないよ」
「今、思い出した・・・」
見た目は確かに怪獣だ。
と言うより、怪獣のルーツにあたるだろう。
「これ、恐竜だよ」
「ティラノサウルスだね」
怪獣が好きなだけに恐竜も好きだった。
でも、比べると悪いが、怪獣のような派手さはない。
「これ、恐竜なのね」
「・・・だからなの?」
その通りだ。
加えて言うなら、僕が買ったのではない。
「これ、母が買ってきてくれたんだ」
「もちろん、僕は怪獣を頼んだんだけどね」
つまり、母が間違って買ってきた。
「・・・間違うよね?私も区別付かなかったし」
「でも、当時は母を責めちゃってさ・・・」
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