[No.1074-2]早く言ってよ!
No.1074-2
「じゃあ・・・特徴を言ってみてよ」
「うん!」
それは赤い花だ。
「けんかを売ってるわけじゃないよね?」
「も、もちろん・・・」
花びらはとてもきゃしゃな感じがある。
ひげのようなものも見える。
「わざと難しくしてない?」
「ううん!全然!」
例えは下手だが、見たままを言っているつもりだ。
花びらの周りにひげのような触手のような・・・。
「う~ん・・・」
「そんなに花は詳しくないからね」
友人が考え込んでいる。
確かに、そんな感じの花は世の中に沢山ありそうだ。
「なんか・・こう・・・引っ掛かるものはあるけど」
さすが、博学の友人だ。
つたない説明でも、答えに寄せてきてくれる。
「う~ん・・・ここまで出掛かってるんだけど!」
「頑張って!」
いつの間にか、応援する側になっていた。
元はといえば、私から持ちかけた話なのに。
「頭の中に映像は浮かんでるんだけどな」
「その花って、触るとかぶれるみたいだよ」
友人の目がみるみる、つり上がっていくのが分かる。
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