[No.1070-2]今日も頼むよ!
No.1070-2
「で、話はそれでおしまい?」
「あっ・・・はい、それだけです」
そこから繋がる話は何もない。
「無いの?」
「以前、別の何かにぶつかったことがあるとか・・・」
本当にない。
いや・・・その前にどうしてそれが必要なのだろうか?
「それって必要ですか?」
「そりゃそうよ!」
それも営業テクニックのひとつだと言う。
「何でもいいから話題は多いほうがいいのよ」
「赤とんぼなんて、今の時期タイムリーな話題じゃん!」
ここにきて何だか褒められているようだった。
確かに旬な話題かもしれない。
「ですね!なんだか自信がわいてきました」
「ちょっと大袈裟に言うのもアリね」
赤とんぼがぶつかりアザが出来た、それくらいでもいいらしい。
「本当ですか?」
「本当よ、もちろん、嘘っぽく言うのよ」
そのユーモラスが会話を和ませると言う。
赤とんぼから思わぬ収穫を得た。
「色々とアドバイスありがとうございます」
「まぁ、これからも頑張って!」
「さて・・・と、今日も居るかな?」
僕の心配をよそに、赤とんぼが縦横無尽に宙を舞っている。
昨日よりも数が多いような気がする。
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