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[No.1076-1]九十九島せんぺい

No.1076-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「・・・食べたいの?」
「えっ!?いや、懐かしいな~って」

多分、物欲しそうな顔をしていたに違いない。
いや・・・多分ではない。

「懐かしい?」
「うん、これ、長崎のお土産なんだ」

スーパーの一角でちょっとした物産展をやっていた。
そこに、それがあった。

「へぇ~初めて見たよ」
「長崎からの帰りには必ず買ってたよ」

とは言え、買っていたのは母親だ。

「祖母が長崎に住んでて」
「あーそれで!」

帰省した際、その帰りに買うことが多かった。

「ただ、それも小さいうちだから」

中学生にもなると帰省から遠ざかった。
だから、自然とそのお土産とも縁遠くなる。

「これ・・・“きゅうじゅうきゅうしませんべい”って読むの?」
「あはは、大きくふたつ間違ってる」

初心者ならそうなってしまうだろう。

(No.1076-2へ続く)

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