[No.1070-1]今日も頼むよ!
No.1070-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「痛っ!」
さっきから、赤とんぼがやたらとぶつかってくる。
「どうしたの?頭をおさえちゃって」
「あのですねぇ・・・」
今朝の出来事を話した。
赤とんぼの集団に襲われたことを。
「はぁ!?それってネタ?」
「ち、違いますよ!」
多少、話を“盛って”なくもないが紛れも無い事実だ。
相当数の集団が僕をめがけて飛んで来た。
「いやいや・・・“僕を”じゃなくて」
「あなたが、そこに突っ込んで行ったんでしょ?」
なるほど・・・確かにそういう見方もある。
いや、そっちが正解だ。
「そ、そうですね」
「あなた自転車通勤でしょ?」
そこまで考えての答えだった。
さすが、先輩。
「でも、当たったのは事実なんですよ!」
「赤とんぼは・・・いい迷惑だったろうね」
完全に僕が悪者になっている。
「結構、痛かったんですから!」
「赤とんぼ、大丈夫だったかしら・・・」
僕の被害は眼中にないらしい。
「ですから、結構・・・」
「いち早く、秋を感じられてよかったじゃない?」
まぁ、それはそうだが・・・。
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