[No.1077-2]ムーンフェイズ
No.1077-2
「で、何でこんな話を?」
「あぁ、そうだった」
最近、たまたま覗いた雑誌に特集が組まれていた。
「何だか懐かしくてさ」
「今だって売ってるでしょ?普通に」
確かに普通に売っている。
一過性のブームではなかったというわけだ。
「売ってるよ」
「・・・ん?」
別にレアでもコアでもない話題だ。
けど、皆が知っているわけでもないだろう。
「もしかして・・・」
「好きなの?」
僕の一方的な話だと思っていた。
「・・・まぁ、好きかな」
「何だよ!早く言ってよ!」
ここに来て意外な展開が待っていたようだ。
話して良かった話題だった。
「あなたが好きなのは知ってたわ」
「えっ!?話したことあったっけ?」
記憶にはないけど、以前話していたらしい。
「まぁ、細かいことは気にしない!」
「う、ううん・・・」
何だか訳がわからない、けど・・・
ムーンフェイズのように刻々と表情を変える彼女が居る。
(No.1077完)
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