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[No.1068-2]一列のスズメ

No.1068-2

「ただ・・・さぁ・・・」
「分かるよ、その気持ち」

お婆さんにして見れば何の悪気もない。
だからこそ賛否が分かれるとも言える。

「毎日、複雑な気持ちで通り過ぎている」

多分、パンくずをまいているのだろう。
するとそこはカオスと化す。

「笑えるカオスだけどね」
「光景が目に浮かぶよ」

お婆さんもスズメも何とも嬉しそうだ。
だからこそ、複雑な心境になってしまう。

「出来ればそこに参加したいくらい」
「あはは!」

そうこうしている内に、全てを食べつくして去って行く。

「そこは野生だね」
「そうだね」

食べるものを食べたら用済みだと言わんばかりに。

「ほら、有名な俳句があったじゃん」
「あぁ・・・夏草や・・・だね」

まさしく、兵(つわもの)どもが夢の跡だった。

「そして、また明日・・・」

同じ光景が繰り広げられる。

「そう言えば・・・」
「なに?」

同僚が何かに気付いたようだ。

「最近、会社に来るのが遅いと思ったら・・・」

だって最後まで見たいから・・・ね。
S1068
(No.1068完)
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