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2021年8月

ホタル通信 No.475

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.437 LED
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

タイトルだけでは思い出せない小説は多々あります。これもそのうちののひとつです。

自分の創作パターンを振り返ると、このような無機物が主軸になると、これを擬人化したような展開になることが多いですね。今回は光の進み方が拡散か集中かを遠回しに、恋愛に結び付けています・・・というより、それに行き着いたからこそ、この小説を作ったとも言えます。
内容は、いつものごとくパッとしないのですが、書いてあることはまんざら嘘でもありません。実際、標識に光が当たり、その反射が小説のヒントになりました。

LEDは無機物だと前述しましたが、光を扱う物体であるため小説のネタとしては可能性を秘めています。
過去にもLEDやその親戚とも言える豆電球のことを小説にしていますから、私にとってはパートナー的な位置づけです。
そこから放たれる光をどう料理するのか・・・これが腕のみせ所といったところでしょうか。

タイトルだけでは思い出せなかったわりには、読み返してみると、よく覚えていることに気付きました。今でもスマホから発せられたLEDの光が、標識に反射した時のことを覚えています。
なんてことがない日常なんですよね・・・でもこれが冬のホタルなんですよ。
T475
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[No.1068-2]一列のスズメ

No.1068-2

「ただ・・・さぁ・・・」
「分かるよ、その気持ち」

お婆さんにして見れば何の悪気もない。
だからこそ賛否が分かれるとも言える。

「毎日、複雑な気持ちで通り過ぎている」

多分、パンくずをまいているのだろう。
するとそこはカオスと化す。

「笑えるカオスだけどね」
「光景が目に浮かぶよ」

お婆さんもスズメも何とも嬉しそうだ。
だからこそ、複雑な心境になってしまう。

「出来ればそこに参加したいくらい」
「あはは!」

そうこうしている内に、全てを食べつくして去って行く。

「そこは野生だね」
「そうだね」

食べるものを食べたら用済みだと言わんばかりに。

「ほら、有名な俳句があったじゃん」
「あぁ・・・夏草や・・・だね」

まさしく、兵(つわもの)どもが夢の跡だった。

「そして、また明日・・・」

同じ光景が繰り広げられる。

「そう言えば・・・」
「なに?」

同僚が何かに気付いたようだ。

「最近、会社に来るのが遅いと思ったら・・・」

だって最後まで見たいから・・・ね。
S1068
(No.1068完)
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[No.1068-1]一列のスズメ

No.1068-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
今の時代、その行為には賛否が分かれる。
いや・・・どちらかと言えば“否”が多数を占める。

「ねぇ、どう思う?」

ほぼ毎日の光景を同僚に話した。

「・・・個人的には微笑ましく思うけどね」
「まぁ、私も同じ意見ね」

それはその周辺に住んでいないから言える言葉だ。
もし、そこに住んでいたら・・・。

「でもやっぱり・・・フンがね」
「だろうね」

通勤途中にとある高齢者施設がある。
そこに、あるお婆さんが鳥にエサをあげている。

「ほぼ毎日なんだろうね」
「スズメなんか一列になってさ」

今か今かとエサを待ち構えている。
スズメとお婆さんの距離は近い。

「餌付けされてる?」
「早い話がそうね」

ついでにハトや、時々カラスの姿も見掛けることもある。

「スズメだけならまだしも・・・」

ハトのフンに悩まされている人も多い。
その原因のひとつが“餌付け”だ。

(No.1068-2へ続く)

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[No.1067-2]恋はタイミング?

No.1067-2

「だから、タイミングが重要なの」
「“まだいける”と思ってても・・・」

知らず知らずの内にことが進行している場合もあるという。
“こと”とは、破局を意味しているのだろう。

「けど、次に進まなきゃ!」
「うん、そのつもり」

悩みもするが、切り替えが早いのも友人の特長だ。

「そんなやつ、スパッと切り捨てちゃったら?」
「そうね・・・そうする」

でも、言葉とは裏腹に浮かない表情をしている。
そう簡単には切り捨てられないようだ。

「そんなやつのことは忘れて・・・他にも居るじゃないよ」
「居る?・・・まぁ、居ると言えば居るけど」

男なんて掃いて捨てるほど居る。
そう思えば、気持ちも楽になるだろう。

「そうよね!」
「そうそう!」

(けど・・・恋はタイミングか・・・)

あらためてその言葉の意味をかみ締めた。

「また、合コンをセッティングするからさぁ!」
「・・・合コン、なんで?」

意外な反応だ。
誰よりも、合コンが好きなはずなのに。

「いや、だから・・・フラれたんでしょ?」
「私、ゴーヤの話をしてるのよ」
S1067
(No.1067完)
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[No.1067-1]恋はタイミング?

No.1067-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「どうしたの?元気ないわね」
「・・・そうかな?」

無理もない。
彼と別れてからそう時間もたっていない。

「やっぱり、タイミングって・・・」
「難しいよね」

何かを語りだそうとしている。
今、おかれている状況からすれば恋愛のことだろう。

「そうね・・・私もそう思う」

確かにタイミングは難しい。
恋愛は駆け引きとも言える。

「昨日までは緑色だったのに」
「一晩で黄色になっちゃって・・・」

なるほど・・・彼との関係を上手く色に例えている。
信号機と同じで黄色は“注意”と言うことだろうか。

「そうよね、そんな時もあるよ」
「そのまま放っておけば・・・裂けちゃうのよね」

その通りだと思う。
すれ違いはいずれ、二人の関係に“亀裂”を生む。

「身もボロボロになっちゃって、さぁ・・・」

今回は随分、激しい恋愛だったようだ。
友人にしては珍しい。

「・・・本気だったんだ」
「うん、真剣に育ててきたのに・・・」

それが一瞬の油断で、ダメになったらしい。

(No.1067-2へ続く)

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ホタル通信 No.474

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.435 夢の跡
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:男性

先に言っておきますが、実話度は高い反面、かなり独りよがりな小説です。

話もややこしいので解説しますね。
現在の職場、例えば大阪としましょう。その大阪で里深(さとみ)と会話をしています。小説上の私は転勤前に務めていた元職場、これを札幌としましょう・・・その札幌に出張した時の話を、里深としているわけです。
で、その札幌には逢いたかった人が二人居た・・・そして実際に逢ってきた、というのが話しの主軸です。今までの話の中で事実ではないのは、里深の存在です。つまり、この小説は私の言わば“回想”を会話調に仕立てたものです。

このお二人・・・冬のホタルでは何度か登場していただいている方です。
帰省で札幌に帰ることはあっても、その時、元職場は閉まっているため、逢いに行くことはできません。とは言え、プライベートで逢うにはそこまで親しい関係でもありません。
ですから、仕事でそこに行くことができるのは何とも不思議で特別な出来事でした。
前述した通り、里深の存在以外は事実なので、内容は読んでいただいた通りです。

ちょっと大袈裟すぎる小説かもしれませんが、本当に夢のような二日間でした。
T474
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