[No.1062-2]私も!
No.1062-2
「雨男が雨に濡れるなんて・・・プッ!」
「そう笑うなよ」
でも何とも情けない話だ。
「かわいそうだから、入れてあげる」
「・・・まぁ、頼むわ」
悪いことにく、雨足が強くなってきたからだ。
夏の天気は変わりやすく、それに激しい。
「あー、こりゃ完全に夕立だね!」
「俺とは関係ないんじゃないのか?」
夏の夕立は珍しくも無い。
ましてや梅雨時だ・・・天候は不安定極まりない。
「さぁ~それはどうでしょうか?」
「是が非でも俺のせいにしたいようだな」
ただ、皆に多大な迷惑を掛けている気がする。
今も目の前を傘をささずに走り去る人が何人も居る。
「あ~ぁ、あんなに濡れちゃって!」
「こっちを見るなよ!?」
そう思いながらも、やはり心苦しさは残る。
「これからは少し遅く帰るようにしようかな・・・」
「じゃぁ、私も!」
(No.1062完)
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