[No.1063-1]縄跳びの達人
No.1063-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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そのブームは小学4年生の頃に突然やってきた。
「・・・縄跳び?」
「そう!出来る?」
たまたま見たテレビで縄跳びの製造過程が紹介された。
それを見て急に想い出がこみ上げてきた。
「あなたは出来るの?」
「今は・・・どうだろうね」
休み時間にもなると、皆が一斉に教室を飛び出す。
思い思いの場所で、縄跳びの練習が始まった。
「当時はね・・・」
最初の難関は二重跳びだ。
ジャンプと縄の回転のバランスが重要だ。
「へぇ~すごいじゃん!」
「こんなの、まだ序の口よ!」
次は技術を要するアレが待ち構えている。
私もしばらくはそれに苦しめられた。
「アレ?」
「そう!アレよ」
それは腕をクロスさせたまま跳ぶ“エックス二重”だ。
クロスするゆえ、“X”なのだ。
「まだまだ、あるわよ!」
「うそ!?」
次は腕をクロスさせたり、元に戻したりを繰り返す跳び方。
それは“あや二重”と呼ばれていた。
「なんで?」
「なんか、あやとりしてるみたいだから・・・じゃない?」
名前の由来は定かではないが・・・。
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