[No.1063-2]縄跳びの達人
No.1063-2
「すごいね!」
「まぁ、昔のことだけどね」
そして、ここからが上級者と言える領域に入る。
難易度も格段に上がる。
「なんだか、ワクワクしてきたよ」
「でしょ!」
上級者は次に後ろ跳びに入る。
つまり、縄を逆回転させ、X二重などを跳んだりする。
「出来るの?」
「うん、格段に難しくなるけどね」
縄のコントロール、ジャンプのタイミングなどなど・・・。
「だろうね、何となくイメージできる」
「ただ、これでもゴールじゃないの」
そう・・・私たちが目指していたゴールはそれじゃない。
「まさか・・・オリンピック!?」
何とも壮大なジョークを放り込んできた。
でも、悪くない・・・。
「じゃなくて、三重跳びだよ」
「えっ!?三重・・・」
今までの跳び方は、言わば技術が試される跳び方だ。
でも、三重跳びは基本に磨きを掛ける必要がある。
「一回のジャンプ中に三回、縄を通過させる・・・」
「これがシンプルに難しくて」
出来たとしても、せいぜい数回レベルだった。
「それでも、跳べたんだ!?」
「まぁ、なんとかね」
その内、ブームは去り、三重跳びは未完のまま幕を閉じた。
(No.1063完)
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