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[No.1061-2]昨日の敵は・・・

No.1061-2

「まるでなつく気配がないのよね」

猫の扱いに慣れているつもりだ。
野良とだって結構、仲良くもなれる。

「よほど何かされたのかしら?」

その可能性は否定できない。
前脚が若干、不自由な感じがする。

「顔を見るたび、睨まれてるし・・・」

でも、そんな時、あることがおきた。

「えっ・・なに?」
「その猫が見慣れない猫とケンカしてたんだよね」

普段は“いかつい”その猫が、相手に圧されているようだった。
そもそも、からだが万全じゃない。

「で、どうなっちゃったの?」
「やっぱり、負けた?」

そんな時、あることを思い付いた。

「・・・それって」
「そう!援軍よ!」

お互い知らない顔じゃない。
ここはひとつ、その猫の肩を持つことにした。

「そしたらさぁ!」

実家の猫を思い出させる張り切りようだった。

「私の登場に相手の猫もビビッたようだったし!」

それからと言うもの、何だか距離が縮まった気がする。
S1061
(No.1061完)
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