[No.1059-1]ななつの間違い
No.1059-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「なに熱心に読んでるの?」
「いや、読んでいると言うか・・・」
読んではいない、見ている。
それも凝視していると言った表現が似合う。
「凝視?」
「そんなに興味がある記事が載ってるの?」
説明するより、見せた方が早いだろう。
「はい、これ」
新聞を手渡す。
「右側にクイズが出題されてるだろ?」
「クイズ?・・・あぁ、これね!」
二枚のイラストから違いを見つける“間違い探し”だ。
一般的に違う数は、3個から7個くらいまでだ。
「この新聞は昔から7個なんだよな」
「へぇ~そうなんだ」
幼い頃の記憶にもしっかり残っている。
それほど、この“間違い探し”の歴史は古い。
「母の影響が大きいんだけどね」
「お母さんの?」
もともと間違い探しは母が好きだった。
その影響で僕もそこに加わることになった。
「二人で競い合ったもんだよ」
「どちらが先に全部見つけるかってね」
記憶では僕の方がより多く勝っていた。
多分、手加減してくれていたのだろう。
「そんな思い出があったんだ」
「それに・・・」
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