[No.1058-2]手を振るから
No.1058-2
「何なら私が振ってあげようか?」
「は?からかうなよ」
すぐ調子に乗ってくる。
だから、幼馴染はいやだ。
「隣同士なんだからさ、遠慮せずに」
「遠慮させてもらいます!」
早く一人暮らしを始めた方が良さそうだ。
「照れちゃって!」
「あのね・・・」
でも、彼女の言う通り、憧れはある。
もちろん、人は選ぶが・・・。
「俺もいずれは結婚して・・・」
「奥さんと子供に見送られたいな」
一日の活力はそこから始まる。
憂鬱な月曜日もそれで乗り切れる。
「随分と妄想が過ぎるわね」
「でも、その妄想に付き合ってあげる!」
最近、妙に絡んでくるのがウザい。
お互い、もう小学生じゃあるまいし・・・。
「私は結婚したら毎日、見送ってあげるよ」
「ふ~ん、それはそれは」
気のない返事で返した。
待てよ・・・それって専業主婦になるってことか?
「ダメかな?」
「いや、何て言うか・・・しばらくは働いて・・・って、おい!」
(No.1058完)
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