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[No.1058-1]手を振るから

No.1058-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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目の前の人が急に振り返り、手を振った。
けど、別に驚くようなことでもなかった。

「それって・・・」
「子供か、それともご主人か」

手を振っている相手は分からなかった。
一軒家なら分かりやすいのだが。

「ぷっ!確認したんだ?」
「そりゃ、ちょっと気になるだろ?」

別に珍しい光景ではない。
でも、気にはなる。

「新婚さんかもしれないしな」
「それはあり得るね!」

男性が家に居ることが珍しい時代ではない。
まぁ、単に仕事が休みだった可能性もあるが。

「憧れるわね!」
「その何気ない日常に」

もし、自分が見送られる立場だったとしたら・・・。
仕事のやる気も変わってくるだろう。

「そうね、嬉しいよね!」
「あぁ・・・月曜日の朝なんて特に」

この後、二人して大笑いした。
仕事をしている者にとって月曜日は憂鬱だ。

「その人も仕事だったのかな?」
「あの時間帯ならそうだろうな」

あいにく僕には手を振ってくれそうな人はいない。

(No.1058-2へ続く)

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