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2021年6月

[No.1059-2]ななつの間違い

No.1059-2

正月ともなると、クイズの特集が組まれる。
もちろん、そこに間違い探しも含まれていた。

「正月が待ち遠しかったな」
「間違い探しやクロスワードパズルとか・・・」

今ほど娯楽が少なかった時代だ。
それでも十分、楽しむことができた。

「それからと言うもの」
「間違い探しを見かけるとつい・・・」

時間を忘れて夢中になってしまう。
特に最近は3つだけの超難問が出題されるようになった。

「今回もあとひとつが見つからない!」
「そうなの?私に任せなさい!」

そう言えば母と探している時もそうだった。
最後のひとつがなかなか見つからない。

「・・・あれ?」
「だろ?」

超難問と言われるだけに何度見ても分からない。

「私もふたつまでは分かったんだけど・・・」

ふたつの間違いは彼女と同じだった。
そうなると、どちらが先に残るひとつを見つけるかだ。

「勝負しない?」
「受けて立つわよ!」

新聞をテーブルに広げて、二枚のイラストに集中する。

「ちょ、ちょっと邪魔だよ!」
「そっちこそ!」

頬と頬が触れ合う。
あの時もそうだったよな。
S1059
(No.1059完)
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[No.1059-1]ななつの間違い

No.1059-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「なに熱心に読んでるの?」
「いや、読んでいると言うか・・・」

読んではいない、見ている。
それも凝視していると言った表現が似合う。

「凝視?」
「そんなに興味がある記事が載ってるの?」

説明するより、見せた方が早いだろう。

「はい、これ」

新聞を手渡す。

「右側にクイズが出題されてるだろ?」
「クイズ?・・・あぁ、これね!」

二枚のイラストから違いを見つける“間違い探し”だ。
一般的に違う数は、3個から7個くらいまでだ。

「この新聞は昔から7個なんだよな」
「へぇ~そうなんだ」

幼い頃の記憶にもしっかり残っている。
それほど、この“間違い探し”の歴史は古い。

「母の影響が大きいんだけどね」
「お母さんの?」

もともと間違い探しは母が好きだった。
その影響で僕もそこに加わることになった。

「二人で競い合ったもんだよ」
「どちらが先に全部見つけるかってね」

記憶では僕の方がより多く勝っていた。
多分、手加減してくれていたのだろう。

「そんな思い出があったんだ」
「それに・・・」

(No.1059-2へ続く)

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ホタル通信 No.470

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

特別編

すごく中途半端な時に特別編を書くことになりました。小説はNo.1058ですし、ホタル通信もNo.470と特に区切りがあるわけではありません。

実は「拍手」の数が、そろそろ1万に達しようとしています。たかが1万、それも十数年書き続けてのそれですから、世のSNSからすれば見劣り感が半端ありません。
拍手をもらいたくてブログを書いているわけではありませんが、嬉しくないはずはありません。

さて、今回の特別編はその記念に書きたかったわけではなく、むしろその逆です。
何度か記事にしていますが、No.900を超え始めた頃から、独特の世界観に陰りが見え始め、No.1000からは駄作が続いており、それを読者の方に見抜かれています。
なぜ、それが分かるのか・・・こんな当ブログですが、熱心に訪れてくれる方もおり、その方がどうか分かりませんが、拍手を多数残してくれます。ですが、No.1000以降の小説に拍手されたことは一度もありません。

もちろんNo.1000以前も駄作の集まりです。ましてやブログを始めた当初の小説は、それはそれは恥ずかしすぎる出来栄えです。でも、拍手を何度も貰っています。それに比べるとレベルは上がっているはずなのに、一向に拍手されません。読者はよく分かっていらっしゃいます。
独特の世界観が消え、商業的な小説が多くなっていると思います。下手くそだったけど、がむしゃらに書き上げていたあの頃・・・。
今が一番苦しく、我慢の時期なのかもしれません。梅雨がいずれ明けるように、冬のホタルにも澄み切った空がやって来ることを信じつつ、これからも続けて行こうと思っています。

最後になりますが、ここ最近、ご訪問いただいている方、本当にありがとうございます。
T470
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[No.1058-2]手を振るから

No.1058-2

「何なら私が振ってあげようか?」
「は?からかうなよ」

すぐ調子に乗ってくる。
だから、幼馴染はいやだ。

「隣同士なんだからさ、遠慮せずに」
「遠慮させてもらいます!」

早く一人暮らしを始めた方が良さそうだ。

「照れちゃって!」
「あのね・・・」

でも、彼女の言う通り、憧れはある。
もちろん、人は選ぶが・・・。

「俺もいずれは結婚して・・・」
「奥さんと子供に見送られたいな」

一日の活力はそこから始まる。
憂鬱な月曜日もそれで乗り切れる。

「随分と妄想が過ぎるわね」
「でも、その妄想に付き合ってあげる!」

最近、妙に絡んでくるのがウザい。
お互い、もう小学生じゃあるまいし・・・。

「私は結婚したら毎日、見送ってあげるよ」
「ふ~ん、それはそれは」

気のない返事で返した。
待てよ・・・それって専業主婦になるってことか?

「ダメかな?」
「いや、何て言うか・・・しばらくは働いて・・・って、おい!」
S1058
(No.1058完)
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[No.1058-1]手を振るから

No.1058-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
目の前の人が急に振り返り、手を振った。
けど、別に驚くようなことでもなかった。

「それって・・・」
「子供か、それともご主人か」

手を振っている相手は分からなかった。
一軒家なら分かりやすいのだが。

「ぷっ!確認したんだ?」
「そりゃ、ちょっと気になるだろ?」

別に珍しい光景ではない。
でも、気にはなる。

「新婚さんかもしれないしな」
「それはあり得るね!」

男性が家に居ることが珍しい時代ではない。
まぁ、単に仕事が休みだった可能性もあるが。

「憧れるわね!」
「その何気ない日常に」

もし、自分が見送られる立場だったとしたら・・・。
仕事のやる気も変わってくるだろう。

「そうね、嬉しいよね!」
「あぁ・・・月曜日の朝なんて特に」

この後、二人して大笑いした。
仕事をしている者にとって月曜日は憂鬱だ。

「その人も仕事だったのかな?」
「あの時間帯ならそうだろうな」

あいにく僕には手を振ってくれそうな人はいない。

(No.1058-2へ続く)

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[No.1057-2]導かれるもの

No.1057-2

「あの・・・熱は無いよね?」
「失礼ね!」

とは言うものの、やや“向こうの世界”に行った感が否めない。
占いとか信じやすい体質だからだ。

「好きだね、そんな話題」
「まぁ・・・ね」

でも、正確に言えば“好き”という感覚ではない。
すがらずには居られない・・・と言った感じだ。

「そっちの方が心配よ!」
「あはは、そうかも」

生きていれば色々なことがある。
仕事も恋も順風満帆とは言えない私は特に・・・だ。

「早い話、悩みごとがあるの?」
「いや・・・どうだろう?」

明確な悩みごとがないから、逆に悶々としている場合もある。
何が私をそうさせているのかと。

「そこに来て数字が・・・」
「なるほど・・・それに繋がるわけね」

溺れる者は藁をも掴む・・・とはまさしくこのことだ。
私の場合、数字を掴んでしまったというわけだ。

「別に現実逃避しようと思ってるわけじゃないよ」
「分かってるよ」

何でもいいから突破口を見つけたい。
そんな気持ちだ。

「でも何だかスッキリしたかも・・・あなたに話せて」
「そう?それなら良かったよ」

数字が揃うと小さな喜びを生む。
それが人と人とを結びつけるのだ。
S1057
(No.1057完)
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[No.1057-1]導かれるもの

No.1057-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
以前、YouTubeだったろうか・・・。
それを耳にしたのは。

「ねぇ、こんな経験ない?」
「どんな?」

何気なく時刻を確認したら、11時11分だった・・・。
つまり、偶然に同じ数字が並んでいた経験だ。

「まぁ・・・あるよね?誰だって」
「だよね」

もちろん、私も経験がある。
それこそ、11月11日に11時11分を見たことさえある。

「さすがに、秒までは分からなかったけど」
「すごいと思わない?」

とは言え、何が凄いのか。
自分が成し得たものではなく、単なる偶然の産物だ。

「すごい偶然だとは思うけど・・・」
「・・・それは間違いない」

ただ、あるとき、それに関してある情報を得た。
それは何らかの“知らせ”であるということを。

「知らせって、虫の知らせの知らせ?」
「うん、そんな感じ」

端的に言えばオカルト要素も入っているのかもしれない。
数字が何かを知らせてくれている・・・と。

「確かに偶然とは言え気にはなるよね」
「数字が揃うと」

だからと言って何かが起こったわけでもない。

「ただ・・・何かの転機と言うか・・・」

何かに導かれているようにも思える。

(No.1057-2へ続く)

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ホタル通信 No.469

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.526 おめでとう
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

割と最近、同じように“誕生日おめでとう”メールを多くの契約先や会員登録先からいただきました(笑)

今更、誕生日を祝って欲しいとか、それこそ「おめでとう!」と誰かに言われたいわけではありませんが、気付けば誕生日を祝ってくれるのは、社交辞令ばかりだった・・・というのが、今回の小説です。
社交辞令とは言え、パソコンの壁紙をプレゼントしてくれたり何らかの特典が用意されていたり。ですから、社交辞令・・・と言うには少し気が引ける部分もあり、よほど心がこもっていると言えるかもしれませんね。

今回の小説は私が言うところの“商業的な小説”であり、読みやすい一方で、刺々しい部分がなく、まさしく心に何も刺さりません。事実に近い小説とは言え、もう少し、方向を変えて作っても良かったかもしれません。

契約や会員登録は毎年少しずつ増えているので、おめでとうメールも増えています。
「うっとうしいな!」と思いつつ「祝ってくれるのはメールだけだね」とちょっと寂しい部分もある、今日この頃です。
T469
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[No.1056-2]足元の缶

No.1056-2

「歳は・・・二十歳前後って感じね」
「だろうな」

若干、ギャル風の雰囲気が漂う。
服装もかなりラフな感じだ。

「で、繰り返しになるけど、どうすると思う?」
「そうね・・・多分、置いていかないわよ」

中身はもうないはずだ。
缶を置く前に、中身を確認する仕草があったからだ。

「へぇ~よく観察してるね」
「嫌味かよ!」

だから、車内に捨てていくことは可能だ。
すでにゴミになっているからだ。

「どうして“置いていかない”と思うんだよ?」
「別に・・・そんな気がするだけ」

僕はそうは思わない。
スマホに夢中で足元の缶を気にする様子がまるでない。

「あの子が言わば“ギャル”だから?」
「ち、ちがうよ!」

でも、正直に言えばそうかもしれない。
見た目で判断した。

「あのね・・・そんなことだと思ったよ」
「絶対、置いて行くよ!」

その時だった・・・停車と同時に缶を拾い上げ、下車を始めた。

「ほら!見なさい!」
「人は見た目じゃないの!特に若い人は!」
S1056_20210616224901  
(No.1056完)
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[No.1056-1]足元の缶

No.1056-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・なに見てるの?」
「ん?いや・・・ほらアレ・・・」

近くに居るので、はっきりと大きな声では言い難い。
電車の中とは言え、耳に入ってしまうだろう。

「アレってなによ?」
「足元・・・」

足元にコーヒーの缶を“置いた”のを見た。

「・・・そういうことね」
「どうすると思う?」

今の段階ではまだ未遂の状態だ。
そのまま置いて下車すれば“捨てた”となる。

「そんなこと考えてたの!?」
「車内に捨てたらダメだろ?」

別に正義感ぶっているわけじゃない。
純粋にそんな行為が嫌いなだけだ。

「そりゃね・・・でも、置いてるだけかもしれないし」

確かに今の段階ではそうだ。
缶を置いて、忙しそうにスマホをいじっている。

「座席の上に置くわけにもいかないでしょ?」
「だったら、カバンに・・・」

と言い掛けて気付いた。

「・・・まぁ、カバンには入れられないな」

ペットボトルならまだしも、缶は無理だ。
だから、床に置くのが今の段階ではベターだ。

(No.1056-2へ続く)

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[No.1055-2]メールの相手

No.1055-2

「じゃぁ、誰なのよ?」
「どうしようかな・・・」

他に彼女がメールを送るような人が居ただろうか?

「・・・もしかして、仕事関係?」
「ん~近いと言えば近いかな」

蓋を開けて見れば何とも色気のない展開になってきた。
仕事の関係者なんて・・・。

「なんだ・・・私はてっきり・・・」
「言っとくけど男じゃないわよ」

では誰なの?とあらためて疑問に思う。
けど、仕事関係だとすれば・・・。

「多分、当たらないと思う」
「私の知らない人?」

彼女が大きく首を横に振る。

「その逆で良く知ってる人だよ」
「・・・うそでしょ!?」

ますます分からなくなる。
でも、ちょっと引っ掛かるものがある。

「もしかして・・・自分自身?」
「おっ!あたりぃ~」

答えが分かればその理由も簡単だ。

「どうせスマホからパソコンに送ったりしてるんでしょ?」
「仕事関係のデータとか」

今度は首を縦に振る。

「そんなことより、あなたはどうなのよ?」
S1055
(No.1055完)
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[No.1055-1]メールの相手

No.1055-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「そう言えばさぁ・・・」
「なによ、急に?」

LINEを使っている時、ふっとあることに気付いた。
いや、気付いたと言う表現は適切ではないかもしれない。

「最近、メールって使ってる?」
「メール?そうねぇ・・・」

LINEが登場して以来、メールを使う機会が激減した。
最後に使ったのはいつだろう・・・。

「たまに使ってるよ」
「えっ!?LINE大好き人間なのに?」

暇さえあれば誰かとLINEをしている。
当然、そこには私も含まれている。

「うそでしょ?」
「ここ数年、メールをくれたことないでしょ?」

ただ、私以外の人に送っている可能性はある。
でも、そんな相手が居ただろうか・・・。

「うそじゃないわよ」
「でも、誰だかは秘密」

ここに来て、いきなりの秘密主義に変わった。

「ここまで話しておいて言いなさいよ!」
「気になる?」

素直に言わない分、色々と想像してしまう。
流れからすれば多分・・・・。

「言っとくけど」
「あなたが考えている人じゃないわよ」

私の顔にそう書いてあったらしい。

(No.1055-2へ続く)

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ホタル通信 No.468

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.434 君と僕
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性

実に分かり難い小説です。自己満足と言うか、読み手のことを考えていません。でも、これが冬のホタルなんです。

要点をまとめるとこうです。
反対側のホームに立つひとりの女性と目があった・・・これをきっかけにぼんやりと奈央のことを思い出す。そう言えば、いつもホームでこんなやり取りがあったね、と。
居眠りをして夢を見ていたわけではなく、前述したようにただぼんやりと頭の中に浮かんできた光景です。一言で表せば白昼夢と言えるかもしれません。

奈央とのやりとりは事実です。いつもそんな感じでしたね。
ホームで待ち合わせてホームで別れる・・・楽しくもあり、寂しくある・・・自分の中の“ホーム”とはそんな場所でした。
駅のホームでとある女性と一期一会のような出会いをしたことで、閉じ込めていた想いが溢れ出てきました。

冒頭、書いたように読者を無視した自己満足の小説ですが、これぞ冬のホタルの醍醐味です。
自分で言うのも何ですが、今はそれほどクセがない小説しか書けていません。スランプではないんですが(笑)
T468
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[No.1054-2]数字当てゲーム

No.1054-2

「あとね・・・」

同じ数字は使ってはいけない。

「じゃあ、やってみる?」

まずはお互い、4桁の数字を決める。
私の場合は・・・。

「決めた?」
「決めたよ!」

ビギナーということで彼に先行を譲ることにした。
まぁ、初戦で負けるはずがない。

「1234!」
「初心者のわりにはベタな攻撃できたわね!」

この一番最初の数値で勝負が決まると言ってもいい。

「1-0!」

相手にとっては一番難しい展開になった。
4つの内、いずれかの数字のみ合っている。

「桁までは合っていない・・・ということだよな?」
「そうよ、じゃあ、今度は私の番ね!」

私も1234で攻めてみた。

「・・・1-1」
「やったぁー!」

桁まで合っている数字もあるということだ。
これは大きいな収穫だ。

「それに2つの数字は含まれてることだからね」
「後の2つは1234以外ってことも言える・・・ん?」

とても嬉しいけど、そんな単純な数値じゃ・・・。
S1054
(No.1054完)
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[No.1054-1]数字当てゲーム

No.1054-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
「ねぇ、こんな遊び知ってる?」
「どんなだよ?」

最近、テレビで久しぶりにそれを見掛けた。
でも、それは私が小さい頃に流行った。

「名前は色々あるみたいだけど」
「私たちは“数字当てゲーム”って言ってた」

その名の通り、二人でお互いの数字を当てる。
3桁の場合もあるらしいが、私たちは4桁だった。

「俺は・・・初耳だな」
「いつでもどこでもできるんだよ!」

最悪、何もなくてもできるが、紙とペンは必要だ。
今なら、スマホでメモってもいい。

「例えばね、私が1234と決めるじゃない?」
「あっ!もちろん、あなたには内緒でね」

相手は私の数字が何であるか、推理して行く。

「推理・・・どうやって?」
「あなたが、5614って推理したとするよね?」

これを、1234と照らし合わせる。
1と4が含まれ、かつ4は桁も同じだ。

「この場合、1-1と私は答えるの」
「前半の1は一致だけしている数で・・・」

後半の1は桁まで一致している数を表している。
ただ、このルールは地域によって多少違うみたいだ。

「でも、ベースは同じ」
「一致している数、桁まで一致している数をそれぞれ答えるの」

それをお互い繰り返し、先に数字を当てたほうが勝ちとなる。

(No.1054-2へ続く)

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[No.1053-2]世界一長い・・・

No.1053-2

「まぁそんなこんなで3年間やり過ごしたよ」

もはや遅刻の常習犯としてちょっとした有名だった。
不名誉だけど。

「だから、決して悪気はないんだけど」
「なんて言うか・・・」

遅刻ぐせが今でも抜けていない。
さすがに社会人になって、昔ほどは酷くはないが。

「会社は遅刻したことないぞ!」

だからと言ってプライベートで遅刻して良い理由にはならない。
それは分かっている。

「うん、そうそう!」
「それはちゃんと理解している」

繰り返すようだけど昔に比べたら格段の進歩だ。
たかが30分しか遅刻していない。

「なっ!たいした進歩だろ?」

歩みは遅いかもしれないが、着実に進歩している。
次こそは遅刻せずに来れるかもしれない。

「次回に乞うご期待!ってことで!」

そうだ!次、頑張ればいい。
誰にだってミスはつきものだ。

「・・・ということで!」
「ふ~ん、これが遅れてきた言い訳ってわけ?」
S1053 
(No.1053完)
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[No.1053-1]世界一長い・・・

No.1053-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「週に一度は遅刻してたかな?」

学校が遠かったこともあり、遅刻しがちだった。
高校生3年間は。

「家から最寄り駅まで自転車で10分」
「そこから電車に乗り換えて・・・」

約30分ほど乗車した。

「それから、バスに乗り換えて」

20分ほど揺られてから学校前に着く。
最後はバス停から5分くらい歩けば到着する。

「単純計算では約70分くらいの工程なんだけどさぁ」

実際は電車の待ち時間などもある。
これを含めると、20分程度は加算されることになる。

「それに」

特にバスが激混みだった。
別の学校が近くにあったこともその理由だ。

「そりゃっもう、ギュウギュウ詰めで・・・」

それが嫌で後発のバスを待つ事も多かった。
それが遅刻の一番の原因となった。

「それなら早く家を出ればいいじゃん!と思うけど」

そう出来ないのが“若さ”だ。
どれだけ寝ても寝たりなかった。

(No.1053-2へ続く)

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ホタル通信 No.467

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.432 約束
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:男性

架空の人物と会話していますが、話の内容自体はほぼ事実です。

さきに結論を言えば、そのブログを通じて知り合った方とは音信不通となり、ブログの更新も随分と前に止まっています。
ですが、知り合ってから数年間は、小説に書いてあるようなことを本気で語り合ったものです。
小説の牽引役(小説上のブログの作者)は男性の設定です。ちなみにそのブログの知り合いは女性の方です。

ちょっと変わった方・・・と言えば語弊があるかもしれませんがそんな方が気になってしまう私も、変わった人なのかもしれません(笑)
独特の世界観を持ち、そしてやさしくて、お茶目な方でしたね。
だからこそ、こんなあり得ないような話で盛り上がれるのかもしれません。当時と今では情報発信の根本が変わり、今の時代、ブログはちょっと影が薄いのかもしれませんね。

最後になりますが、前述した通り、彼女のブログの更新は止まったままです。ですが、何も問題はありません。
例え、約束をしていたとしてもブログを続けるかどうかは本人次第です。私がブログを続けているのは、もしかしたら、彼女との約束を頑なに守っているからかもしれませんね。
T467 
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