[No.1059-2]ななつの間違い
No.1059-2
正月ともなると、クイズの特集が組まれる。
もちろん、そこに間違い探しも含まれていた。
「正月が待ち遠しかったな」
「間違い探しやクロスワードパズルとか・・・」
今ほど娯楽が少なかった時代だ。
それでも十分、楽しむことができた。
「それからと言うもの」
「間違い探しを見かけるとつい・・・」
時間を忘れて夢中になってしまう。
特に最近は3つだけの超難問が出題されるようになった。
「今回もあとひとつが見つからない!」
「そうなの?私に任せなさい!」
そう言えば母と探している時もそうだった。
最後のひとつがなかなか見つからない。
「・・・あれ?」
「だろ?」
超難問と言われるだけに何度見ても分からない。
「私もふたつまでは分かったんだけど・・・」
ふたつの間違いは彼女と同じだった。
そうなると、どちらが先に残るひとつを見つけるかだ。
「勝負しない?」
「受けて立つわよ!」
新聞をテーブルに広げて、二枚のイラストに集中する。
「ちょ、ちょっと邪魔だよ!」
「そっちこそ!」
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