[No.1049-2]答えが来る
No.1049-2
「さっきからニヤニヤして・・・」
「だって、思い出しちゃってさ!」
彼女を待つ男子高校生・・・と言うシチュエーションだ。
どうやら同じ高校ではないようだ。
「彼女を待ってたのか?」
「友達を待っていたように見える?」
その違いは一目で分かる。
しきりに髪を気にして、待っている姿がどこかキザだ。
「よく見てるな!?」
「女性ならごく当たり前の観察眼よ、それにほら!」
予想通り、あの子がその男子の前で立ち止まった。
そして仲良く電車に乗り込んだ。
「ほんとだ・・・」
「でしょ?」
私も同じようなことを経験した。
残念ながら、目の前の人と。
「ん!?何か言ったか?」
「いいえ、何も」
私の場合、彼をしばらく観察していた。
私を待っている時の彼を知りたかったからだ。
「なんだよ・・・またニヤニヤして・・・」
「別に!」
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