[No.1049-1]答えが来る
No.1049-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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「ふふふ・・・」
「何だよ、気持ち悪い」
人が居なかったら、一発殴っているところだ。
今は大人しくしておこう。
「向こうの男子、なにしてると思う?」
「何って・・・スマホいじってるだけだろ?」
まぁ、難しい質問だとは思う。
「電車が到着してるのに乗り込まない」
「そして周りをキョロキョロ・・・」
このヒントで答えが分かるとは思っていない。
自分で自分は見えないからだ。
「いきなり、クイズかよ!?」
「早くしないと“答えが来ちゃう”わよ」
彼がキョトンとしている。
我ながら“答えが来る”とは名言だ。
「何だよ、それ!?」
「さぁ、はやくはやく!」
そうこうしている内に、答えらしき人が近づいてきた。
スマホを片手に足取りが軽い。
「多分、あの子が答えよ」
「あの子!?」
その男子も“あの子”に気付いたようだ。
そしてスマホをいじる手が止まった。
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