[No.1052-2]愛情
No.1052-2
「えー!?なにクラブに?」
「園芸部」
逆に部活には園芸部はなかった。
授業専用のクラブだった。
「渋っ!」
「あはは、だろうね!」
園芸部に行きたかったわけじゃない。
他に行くところがなかったのが、正直な気持ちだ。
「さっきも言ったように」
「球技は苦手だし、他の文系もクラブもさぁ・・・」
デザインやら何やら、才能を試されるクラブばかりだった。
「園芸関係の人が聞いたら怒られるわよ」
「かもなね」
でも本当にそうだ。
実際、そんな楽なクラブではなかった。
「花や植物を植えるだけだろ?って思ってたからさ」
それに、何よりも僕に欠けていたものがあった。
「欠けていたもの?」
「何だと思う?」
もしかしたら、一番必要なものかもしれない。
それが僕には無かった。
「えっー!何だろう・・・」
「まぁ、考えておいて」
ここで即答するのはちょっと照れくさく感じたからだ。
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