[No.1051-2]ある映画のヒロイン
No.1051-2
「中学生の頃、友達同士でさぁ・・・」
「好きなタレントの話題が出たんだ」
当時はアイドル全盛期とも言える時代だった。
もちろん、僕にも好きなアイドルが居た。
「けど、それじゃ面白くないと思って」
「男子ってそんなとこ、あるよね?」
当時、流行り掛けていたある映画のヒロインに目を付けた。
可愛いというより、10代なのに完成された美人だった。
「確かに10代とは思えない魅力ね」
「だろ?だから・・・」
つい、彼女の名前を出してしまった。
そしたら・・・。
「話が盛り上がった?」
「そりゃもぉ!」
その映画は、思春期の男女を描いたものだった。
だから、色々なことが僕の心に突き刺さっていた。
「それでだんだんと意識するようになって」
「本当に好きになっちゃったのね」
続編も作られ、主題歌もヒットした。
それが映画をより盛り上げたとも言えよう。
「今でも歌えるよ」
「英語だけに歌詞は“雰囲気”だけどね!」
パンフレットをもう一度、手に取る。
甘酸っぱい青春時代がよみがえってきた。
(No.1051完)
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