[No.1046-2]夜の猫
No.1046-2
「いつものことだけど」
「今日は特に多かったな」
場所が場所だけに寄ってくるのだろうか?
こんないい匂いがすれば猫も黙ってはいない。
「みんな仲良く座ってたよ」
「不思議よね」
夜になると俗に言われる集会が始まる。
お互い微妙な距離をとって佇んでいる。
「昼間ならケンカが始まるのにね」
「そうそう!」
昔、実家で飼っていた猫もそうだった。
私が顔を出すと急に強気になって・・・。
「どうしたの?」
「目が潤んでいるよ?」
思わぬところで思い出してしまった。
「あっ・・・うん、ちょっとね」
「あれ?あなたも目が赤いよ」
友人も何かを思い出して潤んでしまったのだろう。
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