[No.1043-1]私たちも
No.1043-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
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一目で新一年生と分かる。
襟は輝かんばかりの白さとパリッとした質感。
「そういう時期ね・・・」
「こっちまでワクワクしてくるね!」
中学生が数名の集団で登校している。
春先にはよく見かける光景のひとつだ。
「小学校時代からの友達なんだよね、その集団」
「そうそう!」
入学したての頃は、皆、さぐりさぐりだ。
すぐに友達ができるわけじゃない。
「だから、つい、今までの・・・」
「まぁ、みんなそうよ」
でも、時間の経過と共に新しい友達ができ始める。
「くっついたり、離れたり・・・」
「これからそんなことが起きるよね」
集団の登校も、もう少ししたら様変わりするはずだ。
実際、私たちもそうだった。
「いつの間にか仲良くなって」
ついには同じ高校、大学に通うことになった。
「そう考えると長い付き合いね」
「そうだね」
それにしても、真新しい制服が眩しい。
「・・・思い出すね」
「ほんと・・・」
希望と不安が入り乱れた表情も初々しい。
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