[No.1035-2]ねこの視線
No.1035-2
「まさか!?見えてるとか・・・」
「ちょ、ちょっと待って!」
聞いたことがある。
子供やペットにはそれらが見えるとか見えないとか・・・。
「脅かさないでよ・・・」
けど、確かに何かに感づいているような雰囲気だ。
私達に目もくれず、一点を見つめたままだ。
「怖くないのかな?」
「えっ!?居るの前提じゃん!」
仮に居たとしても彼らには人間として映るのだろう。
多分・・・。
「血まみれの人の姿が見えてたりして!」
「もぉ!追い打ちをかけないで」
けど、本当に彼らに聞きたくなる。
何が見えていて、どんな気持ちなのかと。
「じゃ、聞きに行こうよ!」
「やめときなよ!」
私の静止を振り切って、友人が猫にすり寄る。
「あー待ってよぉ!」
友人が近づいた途端、猛ダッシュで草むらに消えて行った。
「なによ、もぉ!」
友人が渋々戻って来た。
「どうやら・・・」
「そうね、私の方が怖かったみたい」
(No.1035完)
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