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[No.1039-1]スープの味

No.1039-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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分かってはいるのに、それを上手く伝えられない。
それが“味”に関することなら尚更だ。

「それでも頑張って伝えてみてよ?」
「う~ん」

まず見た目や料理の種類から伝えることにした。
それで分かるかもしれない。

「見た目?いいわよ」
「で、どんな感じなの?」

一言で表せば鶏肉料理だ。
唐揚げのようなブツ切りではなく半身の。

「あぁ、脚の部分ね」
「そう、それで・・・」

焼いてはいない、それは素人でも分かる。
焼き色がまったく付いていないからだ。

「蒸してる?」
「うん、それは間違いない」

問題はその調理方法と言うか味と言うか・・・。

「調理方法?」
「さっき、蒸してるっていったでしょ?」

そう・・・確かに蒸している。
ただ、煮込んでいると言ってもいい。

「蒸すのと煮込むのは結構違うよ?」
「いや、そうなんだけど・・・」

ただ、じっくりコトコト煮込んでいるわけではない。
サラサラのスープに浸されていると言った印象だ。

(No.1039-2へ続く)

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