[No.1037-1]スローバラード
No.1037-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「思い出の曲?」
「・・・どうだろう」
何かを明確に思い出す・・・そんなことはない。
けど、なぜかしら心がざわつく。
「なんかこう・・・せつない気持ちになるのよね」
「失恋中に聴いたとか?」
それなら逆に明確に覚えているはずだ。
失恋ソングはそう簡単に忘れられるはずもない。
「話はそれるけど・・・あるんだ?」
「まぁ・・・ね」
とは言え、今回はそれは横に置いておこう。
「あえて言うなら」
「ある時期の私のバックグランドというか・・・」
この曲はまるで風のように吹いていた。
私を包み込むように。
「その意味不明な感覚・・・」
「そうね、俗に言う青春ってやつかもね」
言い知れぬ不安、意味不明な衝動。
そんな毎日だった。
「確かにそんな時期もあったかな」
「何なんだろうね」
そしていつの間にか人は大人になる。
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