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[No.1035-1]ねこの視線

No.1035-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「うわぁっ!」
「なによ!?ビックリするじゃない!」

酔いが一気に吹き飛んだ。
目線の先に、一匹の猫がじっと座っていた。

「ごめん・・・猫が・・・」
「ネコ?」

別に化け猫が出たわけじゃない。
不意を突かれて驚いただけだ。

「・・・あら、可愛い!」

暗闇の中でも、黒猫と分かる。
そいつが一点を見つめている・・・ように見える。

「寒空の下、どこを見てるんだろうね?」
「そうね・・・」

方向的には近くの建物のドアだ。

「誰かエサでも持ってくるのかな?」
「いわゆる出待ち?」

そう話した後、同時に気付いた。

「・・・そうだった」
「だよね・・・」

その建物は空き家というより廃墟だ。
それに、とあるウワサもある。

「出るよね・・」
「うん・・・そこそこ有名な心霊スポット」

さっきまで酔っていたので気付かなかった。
知らず知らずの内に足を踏み入れていた。

(No.1035-2へ続く)

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