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2021年3月

ホタル通信 No.461

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.426 不思議な恋
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:男性

実話度が示す通り、かなり事実にもどづいた小説です。本当
にこのような中途半端な出来事が起こっていました。

今、考えても不思議でなりません。
明らかに好意を持たれていたはずなのに、何も進展せずに
終わりました。友達以上恋人未満どころか、友達にすら値し
なかったのかもしれません。
小学生の時は、男の子、女の子の関係でしたが中学にもな
るとそうはいきません。お互い思春期ということもあるでしょう
が、圧倒的に女子の方が大人でした。そう考えると、彼女の
好意に圧倒されていたのか、それを受け止めるだけの度胸が
なかったのか・・・自分では後者だと思っています。
とは言うものの、本当にそうだったのか、大いなる勘違いとい
う可能性もゼロではありません。

結局、別々の高校に進み、言わば“自然消滅”したわけです。
もちろん、彼女が通う高校は知っていたし、通学する電車の
中でも何度も会ったこともあります。
でも、昔のようなことは一切ありませんでした。都合よく考え
れば、何もなかったことに対して、高校進学にあわせて冷め
てしまったのかもしれません。

振り返ると、小学生の時にもらった年賀状はとても嬉しかった
ことを覚えています。
ですが、大人になった今、思うことは“はしゃぐ”幼稚な僕に対
して、彼女はずっと大人だったということです。
S461
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[No.1040-2]だからそれが・・・

No.1040-2

「つい、論議になっちゃって・・・」
「それは一番ダメなやつだよ」

そうらしい。
それを随分あとで知った。

「僕としては正論だったつもりなんだけどな」
「バカね!それなら余計にダメ」

結果的に彼女を否定することになってしまった。
そんなつもりはまったく無かったが。

「全部、男性目線だよ」
「だ、だろうね・・・」

ある日、女性の心理について知る機会があった。
プライベートではなく、仕事でだ。

「そしたら・・・」
「当てはまるものが山ほどあった・・・でしょ?」

その言葉に小さくうなづくしかなかった。

「僕がしたこと、全部書いてあったからさ」
「見事なまでに」

振り返ると、けんかになるのもうなづける。
論議、否定、話の腰を折る・・・そして・・・。

「男性は結果重視でしょ?」
「あはは・・・笑えないね」

でも、笑うしかなかった。

「仕方ないわね、私がレクチャーしてあげる!」
「助かる!で、結論から言えば?」
S1040
(No.1040完)
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[No.1040-1]だからそれが・・・

No.1040-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
そうなった理由は分かっている。
一言で表せば女心を理解していなかったからだ。

「相談相手が私でいいの?」
「えっ!?逆にマズイの?」

女性のことは女性に聞く。
一番の方法だと思ったんだが・・・。

「いいけど、手厳しくなるわよ」
「なるほど・・・そ、そうだね」

なぐさめてもらいたいわけではない。
でも、厳しくあたって欲しいわけでもない。

「それはあなた次第ね!」

その危険性を考えていなかった。
火に油を注ぎ兼ねない。

「で、どんなことがあったの?」
「実は・・・」

昔からの知り合いとけんかした。
正確には“している”と思う。

「している?推測なの?」
「派手なけんかをしたわけじゃなくて・・・」

チャットアプリでのやり取りがきっかけだった。
仕事のことでお互いヒートアップしてしまった。

「仕事?」
「色気がないわね!」

女心を理解していたらここまで酷くはならなかったと思う。

(No.1040-2へ続く)

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[No.1039-2]スープの味

No.1039-2

「まぁ・・・何とか伝わるけど」
「で、肝心の味は?」

その味を決めているのが、そのスープだ。
これが何とも表現しがたい。

「甘い、辛いで言えば、甘みがあって」

けど、強烈な甘みではなく、限りなく薄味だった。
でも、ちゃんと旨みはあった。

「無色とは言わないけど、ほぼ透明だった」
「鶏肉に合う、サラサラのスープか・・・」

もちろん、とっくの昔にググッた上でのこの悩みだ。
だからこそ、解決までのハードルは高い。

「知りうる限りでは思いつかないね」
「まぁ、随分昔の料理だしな」

正確には僕が小さい頃に、食卓にならんだご馳走だ。
誕生日などに母が作ってくれた。

「母の味か・・・手ごわいね」
「オリジナルってこともあるし」

確かにそんな気がしないでもない。
実際、家の外でそれを食べたことも見たことも無い。

「どう?できそう?」
「・・・そうね」

そんな料理を彼女にリクエストしている。

「頑張ってみるよ!」

もう少し早ければ、それについて聞くことができたのに。
S1039
(No.1039完)
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[No.1039-1]スープの味

No.1039-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
分かってはいるのに、それを上手く伝えられない。
それが“味”に関することなら尚更だ。

「それでも頑張って伝えてみてよ?」
「う~ん」

まず見た目や料理の種類から伝えることにした。
それで分かるかもしれない。

「見た目?いいわよ」
「で、どんな感じなの?」

一言で表せば鶏肉料理だ。
唐揚げのようなブツ切りではなく半身の。

「あぁ、脚の部分ね」
「そう、それで・・・」

焼いてはいない、それは素人でも分かる。
焼き色がまったく付いていないからだ。

「蒸してる?」
「うん、それは間違いない」

問題はその調理方法と言うか味と言うか・・・。

「調理方法?」
「さっき、蒸してるっていったでしょ?」

そう・・・確かに蒸している。
ただ、煮込んでいると言ってもいい。

「蒸すのと煮込むのは結構違うよ?」
「いや、そうなんだけど・・・」

ただ、じっくりコトコト煮込んでいるわけではない。
サラサラのスープに浸されていると言った印象だ。

(No.1039-2へ続く)

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ホタル通信 No.460

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.422 鍵
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

冬のホタルらしい、極めて日常的な話ですが、実話度が示す
通りです。

さて、主人公である10年ほど使っているキーホルダーですが
実在していました。残念ながら捨ててしまったのですが、本当
に10年ほど使いました。
大きさ的には5cm×2cmくらいのものでした。それほど厚みは
なく、時計の部分がシースルー型の液晶で、外光をバックラ
イトにして表示する仕組みでした。
時計の機能は早々に失われたのですが、小説にも書いた通り
鍵の存在を知らせるには丁度いい存在感で、ちょっと丸みを帯
びた形が手に馴染んでいました。そんなこともあり、しばらく、
鍵の相棒として活躍してくれたわけです。

そんなキーホルダーに強力なライバルが出現しました。大袈
裟ですが。それが小説では見たことがないキャラクターとなっ
ていますが、実はそうではありません。
あえて隠す必要もありませんが、某有名キャラクターが描か
れた棒状のキーホルダーです。なぜ、そのまま書かなかった
と言うと、冒頭のやりとりをコミカルに進めたかったからです。
棒状のそれが有名なキャラクターだと、とげとげしさが足りな
く感じていたからです。

冒頭に書いた通り、極めて日常的な話ですが、本当にこのキ
ーホルダーにはお世話になりました。
私自身、物の扱いは雑な人間だと思っていますが、変なところ
で愛着心を持つことがあります。それが、キーホルダーであっ
たり、ヘアブラシであったりします。もちろん、それらは小説の
ネタとしても大活躍してくれています。
T460
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[No.1038-2]青春の1ページ

No.1038-2

「ある日、二人の後を・・・」

微妙な距離で歩く、もう一人がいた。

「・・・それって」
「理由は分からないけど」

仲たがいしていると考えた方が自然だろう。
単に遅れたのなら、走って行けば追いつく距離だ。

「二対一みたいな感じね」
「そうだね」

仲良し二人組なら、お互いひとりぼっちになる。
だから、ある意味、平等だ。

「でも、向こうは・・・」
「そうね・・・二人いるから寂しくはないか」

はしゃぐ二人組とは対照的な“もう一人”がいた。
二人の背中を追うような追わないような・・・。

「仲直りのきっかけは難しそうね」

さっきも言ったように向こうは二人いる。
今回のことで、ますます絆が深まることもあるだろう。

「だから心配でさ 」

三年間、彼女たちを見てきた。

「えっ!?ほんとに卒業しちゃうじゃん!」

これを青春の1ページとして片付けて良いのだろうか?
S1038
(No.1038完)
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[No.1038-1]青春の1ページ

No.1038-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
いつもの朝の風景が変わった。
とても小さなことだけど事態は深刻だと思う。

「ねぇ、こんな経験ない?」
「どんな?」

簡単に言えば友達と喧嘩して仲直りできない。
そして、そのまま卒業式を迎えてしまう。

「逆にあるの?」
「ううん、私じゃないんだけど」

毎朝、女子三人組を見掛ける。
制服と雰囲気からすれば中学生だと思う。

「その彼女たちのこと?」
「そう、ある日ね・・・」

三人ではなく、二人だった。

「おやっ?とは思ったんだけど」

そこに特別な感情は持ち合わせていなかった。
病欠か遅れたか・・・そんな程度だと思っていた。

「でも、それが数日間続いて」

そして“あること”で、その理由が分かった。

「あること?」
「・・・うん」

毎朝、彼女たちを見ていたからこそ気付いたと言える。

(No.1038-2へ続く)

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[No.1037-2]スローバラード

No.1037-2

「でもどうして急に?」
「部屋を整理してたら・・・」

押入れの奥から出てきた。
完全に忘れていたそれが。

「当時はカセットテープでさぁ」

誰かにダビングしてもらった記憶はあった。
でも、それが誰だか覚えていない。

「元カレとか?」
「ない!ない!」

それはそれでちゃんと保管している。

「そうなの!?」
「そうなの!」

また話がそれてしまいそうだ。
どうも今回の話は核心に迫れない。

「じゃぁ、一回聞かせてよ?」
「いいけど・・・どうやって?」

あいにくこれを再生できる機械はない。
ラジカセは遠い昔に処分している。

「バカね!今はこれでしょ?」
「あはは!そうだね」

やはり、心がざわざわする。
でも、今ならちゃんと答えが分かるような気もする。

(No.1037完)
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[No.1037-1]スローバラード

No.1037-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「思い出の曲?」
「・・・どうだろう」

何かを明確に思い出す・・・そんなことはない。
けど、なぜかしら心がざわつく。

「なんかこう・・・せつない気持ちになるのよね」
「失恋中に聴いたとか?」

それなら逆に明確に覚えているはずだ。
失恋ソングはそう簡単に忘れられるはずもない。

「話はそれるけど・・・あるんだ?」
「まぁ・・・ね」

とは言え、今回はそれは横に置いておこう。

「あえて言うなら」
「ある時期の私のバックグランドというか・・・」

この曲はまるで風のように吹いていた。
私を包み込むように。

「その意味不明な感覚・・・」
「そうね、俗に言う青春ってやつかもね」

言い知れぬ不安、意味不明な衝動。
そんな毎日だった。

「確かにそんな時期もあったかな」
「何なんだろうね」

そしていつの間にか人は大人になる。

(No.1037-2へ続く)

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ホタル通信 No.459

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.552 最初の一日
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:男性

なるほど・・・こんな話だったんだ。最近、タイトルだけでは思
い出せない小説が増えています。

それが年齢から来るものなのか、それとも膨大な量の小説の
せいなのかは別にして、読み返してみると、今でも鮮明に覚え
ている小説のひとつです。
良く通っていたお店の店員さんがその店を辞める・・・という所
から小説はスタートします。実話度が示す通り、もちろん事実
です。
常連という言葉は余り好きではありませんが、5年間、それも
月1で足繁く通っておれば、多少、そんな気にもなってきます。
(その店自体は今でも通っています)

常連さんらしい言動はした覚えはありませんが、店員さんは
分かっていたようで、大勢のお客さんの中で私を選んで声を
掛けてくださいました。正直、ビックリしたことを覚えています。
さすがに「私に好意を!?」なんて考える年齢ではありませ
んが、ひとりの客としては嬉しい限りですよね、なんて言うか
ちょっとした特別感がありました。

ほぼ実話なので読んでいただいた通りなんですが、最後の
一行は自分でも実は「?」なんです。
実話ではないことは分かっているのですが、どのようなオチ
にしたかったのか、今ひとつ、ピンと来ていません。
多分、この店で務めるのは最後であって、違う店で働き始め
る・・・だから、あなたとの関係も終わりじゃない・・・みたいな
ことでも妄想してたんじゃないでしょうか?
T459
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[No.1036-2]完全な個室

No.1036-2

「ところが?」
「あぁ・・・その城も長くは続かなくてさぁ」

別に城を攻められたわけじゃない。
いわば、城を出て行くことになった。

「出て行く?・・・あぁ・・・そういうことね!」

就職を気に家を出ることになった。

「これから個室を満喫!だったのに」
「あはは、確かに!」

結局、僕の完全個室の人生は2年も無かった。

「でも、今は完全個室じゃん?」

確かにその通りだ。
昔よりも、今のほうが完全個室だ。

「そうなんだけど・・・」
「なんて言うか・・・違うんだよな」

一人暮らしの個室と僕は思う個室は違う。
うまく説明はできないが・・・。

「言いたいことは分からなくもないけどね」
「だろ?」

話は少しそれるが、家族がいて僕がいた。
家族と過ごすことも一人になることも可能だった。

「贅沢な話かもな」
「・・・かもしれないね」

都合よく一人になりたい・・・そんな個室に憧れていた。

「それなら、ひとつ提案があるの?」
「・・・なんだよ?」

この流れからすれば・・・。
S1036
(No.1036完)
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[No.1036-1]完全な個室

No.1036-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
僕に“完全な個室”を与えられたのは高2の夏だった。

「完全な?」
「今までは・・・」

最初は床の間を改造した程度の部屋だった。
一応、申し訳程度のカーテンで仕切られていた。

「元が床の間だからさ」
「狭そうね・・・」

狭いと言うより、机を置くのがやっとだった。
そもそも“部屋”と呼べるようなものでもない。

「姉はさぁ、先に生まれたということもあって」

部屋が与えられていた。
まぁ、女子だということも理由のひとつだとは思う。

「弟さんも居たよね?」
「うん、いるよ」

弟が物心付くころにあわせて家を増築した。
増築と言っても、父親手作りの部屋だ。

「それでもようやく・・・って感じ」
「わかる、わかる」

弟と同部屋だったから、個室ではなかった。
けど、嬉しかったのは覚えている。

「で、高1のとき・・・」

家を建て替えることになった。

「それで初めて個室が・・・ってことね?」
「そう!」

大袈裟だけど、自分の城を持てたような気分だった。
ところが・・・。

(No.1036-2へ続く)

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[No.1035-2]ねこの視線

No.1035-2

「まさか!?見えてるとか・・・」
「ちょ、ちょっと待って!」

聞いたことがある。
子供やペットにはそれらが見えるとか見えないとか・・・。

「脅かさないでよ・・・」

けど、確かに何かに感づいているような雰囲気だ。
私達に目もくれず、一点を見つめたままだ。

「怖くないのかな?」
「えっ!?居るの前提じゃん!」

仮に居たとしても彼らには人間として映るのだろう。
多分・・・。

「血まみれの人の姿が見えてたりして!」
「もぉ!追い打ちをかけないで」

けど、本当に彼らに聞きたくなる。
何が見えていて、どんな気持ちなのかと。

「じゃ、聞きに行こうよ!」
「やめときなよ!」

私の静止を振り切って、友人が猫にすり寄る。

「あー待ってよぉ!」

友人が近づいた途端、猛ダッシュで草むらに消えて行った。

「なによ、もぉ!」

友人が渋々戻って来た。

「どうやら・・・」
「そうね、私の方が怖かったみたい」
S1035
(No.1035完)
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[No.1035-1]ねこの視線

No.1035-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「うわぁっ!」
「なによ!?ビックリするじゃない!」

酔いが一気に吹き飛んだ。
目線の先に、一匹の猫がじっと座っていた。

「ごめん・・・猫が・・・」
「ネコ?」

別に化け猫が出たわけじゃない。
不意を突かれて驚いただけだ。

「・・・あら、可愛い!」

暗闇の中でも、黒猫と分かる。
そいつが一点を見つめている・・・ように見える。

「寒空の下、どこを見てるんだろうね?」
「そうね・・・」

方向的には近くの建物のドアだ。

「誰かエサでも持ってくるのかな?」
「いわゆる出待ち?」

そう話した後、同時に気付いた。

「・・・そうだった」
「だよね・・・」

その建物は空き家というより廃墟だ。
それに、とあるウワサもある。

「出るよね・・」
「うん・・・そこそこ有名な心霊スポット」

さっきまで酔っていたので気付かなかった。
知らず知らずの内に足を踏み入れていた。

(No.1035-2へ続く)

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ホタル通信 No.458

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.579 わがままの先
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性

読み返して気付いたのですが、結構、短めの小説です。最近、
なぜか小説が長くなる傾向にあります、超短編が売りなのに。

それはさておき、会話の相手は言わずと知れたあの彼女です。
彼女の言動にいつも振り回されて、困惑したり、悩んだりした
日々が思い出されます。
小説にも書いていますが、彼女をそうさせたのは彼女自身と
言うより、育った環境・・・つまり、境遇です。色々と事情があり
早くに親離れせざるを得ない状況でした。そして彼女は若くし
てひとりぼっちになったんです。
 
ただ、ひとりぼっちの意味は皆さんが考えているようなもので
はありません。例えば“孤独”は無人島でひとりで生きている
ような場合も言えるし、大勢で生活している中で、仲間はずれ
にされたりする場合も言えます。
彼女の場合、雰囲気は後者の方であり、親になかば捨てられ
たような状態であったと言っても言い過ぎではありませんでした。
そんな境遇を背景に、小説のような展開があったのです。

冒頭に書いた最近は長く・・・の部分ですが、それはリアリティ
が減った、つまり実話度が減ったということに他なりません。
より実話度が高いと、脚色も減り、尾ひれ背ひれも付いてきま
せん。
今回の小説も、読者も無視した内容なだけに実話度に関して
は高めなのです。
T458 
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[No.1034-2]水道水

No.1034-2

「ごめん!また話が脱線した」
「だと思った」

そう・・・学校で喉が渇いた時の話をしていた。

「どうしてたの?」
「そりゃ、アレしかないだろう」

運動場とかにある水道で水を飲んでいた。
室内ではなく、なぜか外の水道で。

「・・・変ではないよね」
「そうか?当時はさぁ・・・」

水道の水を飲むことは、いけないことだとされていた。
明確に禁止されていたわけではないが。

「だから、ためらいながら飲んでたよ」

先生の目を盗むようにして。

「なんで?」
「なんでだろうね、ただ・・・」

今考えると思い当たる節はある。

「多分だよ、当時の水質に問題があったと思う」
「汚れてたの!?」

そうではない。
清潔過ぎて・・・と言ったほうが角が立たなくて済む。

「あぁ・・・何となくわかる」
「当時はちょっと匂いがキツかったのかもね」

ただ、それも大きな誤解だと分かる。
それなら、自分の家だって同じだったはずだ。

「結局、飲みすぎてお腹を壊さないように・・・と」
「“先生の配慮があった”ということね」

実際、壊していたのを思い出した。
S1034 
(No.1034完)
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