[No.1033-2]小バエの憂鬱
No.1033-2
「お風呂場の水しぶきにも耐えてさぁ」
この場所が好きなのかそれとも・・・。
「行き場所がないようにも見えた」
「なるほどね」
友達が何かを悟ったようだった。
「小バエに自分を重ねた?」
「・・・どうだろう」
曖昧な返事をしたのは認めたくないからだと思う。
小バエはまさしく今の自分そのものだ。
「それにしても・・・」
「すごいものに例えたね、自分を」
その言葉に思わず吹き出しそうになった。
確かに例えたものが・・・小さい。
「でも、あなたらしいよ」
「褒めてる?」
でも、私は小バエに何を重ねたのだろうか?
分かっているようで分かっていない。
「悩み多い年ごろじゃん!」
「それで片付けるの!?」
そう言えば長風呂した時に、フッと目にとまった。
「その時、色々考えてたのね」
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