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[No.1032-1]卵かけごはん

No.1032-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「朝は卵かけご飯でいいの?」

答えは決まっているけど一応聞いてくれる。
その気遣いが嬉しい。

「もちろん!」
「ほんと好きだね」

逆に嫌いな人が居るのだろうか?
もちろん、卵嫌いな人は別にして。

「でもさぁ・・・」
「なぁに?」

この卵かけご飯には色々と思い出がある。

「思い出?」
「あぁ、実は・・・」

僕の実家の卵かけご飯は目玉焼きだった。
それをご飯の上にのせて混ぜる。

「生卵じゃないんだ!?」
「そうなんだけど・・・」

そもそも卵かけご飯が生卵だとは知らなかった。

「えっ・・・どういうこと?」
「そういうこと」

今でこそ“TKG”だが、当時の世はそんな欠片もなかった。
だから、他の家庭の事情なんて知る由もなかった。

(No.1032-2へ続く)

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