[No.1028-1]ランドセル
No.1028-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「いつまでランドセルだった?」
「なに!?いきなり・・・」
今、集団登校する小学生たちとすれ違っている。
そこに少し違和感を覚えた。
「私の時代はランドセルなんて・・・」
二年生になった時にはもうランドセルは卒業していた。
「卒業?ランドセルじゃないってこと?」
「うん、手提げカバンだったの」
すれ違う小学生たちは皆、ランドセルを背負っている。
高学年と思われる子もだ。
「何だか、不思議な光景」
「ランドセルって、なんかさぁ・・・」
ランドセルを“可愛い”ものとは思っていなかった。
それに画一的なものに抵抗があった。
「あんたらしい・・・というか」
「確かにそんな時代だったかもね」
そんな友達も手提げカバンだったと言う。
「私はそこまでじゃなかったけど」
「だんだんランドセルが少数派になって・・・」
その内、手提げ派にのまれて行ったらしい。
「それは“あんたらしい”ね」
「それってディすってる!?」
(No.1028-2へ続く)
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