« [No.1029-1]レディーボーデン | トップページ | [No.1030-1]決定的瞬間 »

[No.1029-2]レディーボーデン

No.1029-2

「最近は色んなアイスが出てるもんな」
「そうね、知名度はさすがに・・・」

いわゆる高級アイスの路線は別のアイスに移っている。
でも・・・。

「私はやっぱりこれね」
「そうだな」

時代は変われども、いまだその存在感は健在だ。
今でも神々しく輝いている。

「なんか、これの宣伝部長みたいになっちゃったわね!」
「だな!」

それだけ思い入れが強いということだ。
私も彼も。

「あなたと話が合って良かったよ」
「俺らの年代ならそうじゃないか?」

今まで見たこともない大きな容器。
そして、舶来品を思わせるデザイン・・・。

「自分で“舶来品”って言ってるじゃないか」
「あはは!そうみたい!」

いずれにせよ、思わぬ再会に嬉しさが込み上げてきた。
あらためてそれを手に取ってみる。

「・・・買って帰る?」

彼が小さくうなづく。
二人とも味の思い出がないのは覚えていないからではない。
S1029 
(No.1029完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.1029-1]レディーボーデン | トップページ | [No.1030-1]決定的瞬間 »

(042)小説No.1026~1050」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1029-1]レディーボーデン | トップページ | [No.1030-1]決定的瞬間 »