[No.1025-1]迷子
No.1025-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「昔と比べると減ったよな?」
少しづつではあるが減っていると思う。
「そうかもしれないね」
地球温暖化の影響かもしれない。
「そんなにエコな人だったっけ?」
「からかうなよ、素直な意見だよ」
除雪が昔より進んだ可能性もある。
それで勘違いをしている可能性は否定できないが。
「ここに来たときなんかさぁ・・・」
「僕の背の高さをゆうに超えてたぞ」
・・・年前にここに新入社員として配属された。
公私共に、初めての北海道だった。
「確かにそんな感じだったかも」
「だろ?」
除雪は入るものの、道路脇に残されたままになる。
それがどんどん積み上がっていった。
「それで、初めて来た年に・・・」
うれしさのあまり、近所を散策してみることにした。
なんせこれほどまでの雪を見たことがなかったからだ。
「“これが雪道か!”なんてはしゃいでたよ」
「初めてならそうなるのも無理ないよ」
とにかく、雪深い道をただただ歩いた。
ところが・・・。
「いざ、帰ろうとしたら」
「・・・帰り道が分からなくなって」
見えるものと言えば雪の壁と一面の銀世界だった。
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