[No.1027-1]元日の朝
No.1027-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「思い出すなぁ~」
テレビのニュースで元旦の郵便局が放送されていた。
「ん?なにが?」
「何って、出発式に決まってるだろ?」
元旦に年賀はがきを配達する前の行事だ。
昔、僕はその中に居た。
「えっ!?元郵便局員なの?」
「転職してたの!?」
話を最後まで聞かない彼女が悪いのか・・・。
もったいぶる僕が悪いのか・・・。
「ちがうよ!バイトだよ、アルバイト!」
高校生の時、郵便局でアルバイトをしていた。
夏休みやなど学校が休みの時に。
「高1の夏休みが最初で・・・」
僕としてはそれで終わるつもりだった。
それがその年の冬、そして春・・・これが3年間続いた。
「それって・・・」
「自分で言うのも何だけど」
局員から“次の休みも是非”と頼まれたからだ。
早い話、戦力として認めてもらえていた。
「すごいじゃん!」
「ただ、俺だけじゃなくて」
僕の友達も同じだった。
共に陸上部で鍛えた肉体と精神が役にたったと思う。
「とは言え、走って配ったわけじゃないぞ!」
「当たり前でしょ!江戸時代じゃあるまいし・・・」
それの集大成と言えるのが冬休みの配達だった。
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