« [No.1022-1]ネコの嘆き | トップページ | ホタル通信 No.452 »

[No.1022-2]ネコの嘆き

No.1022-2

「うずくまる・・・ねぇ・・・」

基本、家の中でもそんなことが多い。
気付けば、タンスの上に居ることもある。

「そんな感じで、ほら、あるでしょ!」
「そう言われても・・・」

夏はエアコン、冬はストーブ。
それぞれ、一番良いポジションを見つけ出す。

「そこまで出てたらもう一息!」
「あのねぇ・・・」

本格的なクイズの様相を呈してきた。
車の屋根のネコから、随分と話が展開している。

「ほら・・・アレを忘れてるよ!」

家の中で今と昔で変わったこと・・・。
あらためてクイズを思い出してみる。

「なんかテレビのクイズみたい・・・」
「・・・あっ」

確かにあった。
大きく変わったものが。

「テレビ・・・ね!」
「そうぉ!」

ブラウン管が液晶に変わった。
それにより、ある姿が見れなくなった。

「ネコがテレビの上に・・・でしょ?」
「正解!」

冬になるとテレビの上は彼らの特等席になる。
けど、今は・・・彼らの嘆きが聞こえてきそうだ。
S1022
(No.1022完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.1022-1]ネコの嘆き | トップページ | ホタル通信 No.452 »

(041)小説No.1001~1025」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.1022-1]ネコの嘆き | トップページ | ホタル通信 No.452 »