[No.1023-1]彼の目利き
No.1023-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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「美味しい!」
「ありがとう・・・」
食事の度に味を褒めてくれる。
それはそれで嬉しいけど・・・。
「なんだよ?」
「ん?・・・なんでもないよ」
決して嘘を付いているとは思っていない。
でも、少し気になっていることもある。
「なんでもないけど・・・」
時々、料理の手を抜くことがある。
忙しい時とか、疲れた時とかはお惣菜で済ませる。
「それを気にしてたのか?」
「俺は全然気にならないけど」
気にしているのはそこじゃない。
彼はお惣菜も“美味しい”と口にする。
「だって本当だろ?」
「そうなんだけど・・・」
彼には悪いけど何でも美味しいと言っている気がする。
社交辞令のように・・・。
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